目次
スコアボードシステムの使い方[編集]
MinecraftのScoreboardシステムを、Bukkit API経由で使用する方法をまとめます。 このチュートリアルは、こちらの内容を参考に作成しています。
基本的に、Bukkit APIから使用できるScoreboardシステムは、 バニラのサーバーコマンド /scoreboard で実施できることとほとんど同じです。 このチュートリアルを理解するためには、/scoreboard コマンドを試して、 Scoreboardシステムの仕様をよく理解することが一番の近道です。 コマンドの使い方は、こちらやこちらを参考にしてみて
スコアボードシステムの基本的な使い方![編集]
まず、ScoreboardManager を取得します。
ScoreboardManager manager = Bukkit.getScoreboardManager();
次に、Scoreboard を取得します。
Scoreboard board = manager.getMainScoreboard();
Scoreboard に、新しいチームを登録します。
Team team = board.registerNewTeam("teamname");
そして、登録されたチームの設定をいろいろ変更します。
// プレイヤーを追加します。 team.addPlayer(player); // プレイヤーを削除します。 team.removePlayer(player); // prefixを登録します。これは、TABキーを押したときのプレイヤーリストと、 // 頭の上のプレイヤー名で、該当チームに所属するプレイヤーの名前の"前"に、 // 指定した文字列が付きます。 // 表示欄は狭いため、長い文字列を指定することは避けるべきです。 // なお、ChatColorによる装飾が指定可能です。 // 例)team.setPrefix(ChatColor.RED.toString()); team.setPrefix("prefix"); // suffixを登録します。これは、TABキーを押したときのプレイヤーリストと、 // 頭の上のプレイヤー名で、該当チームに所属するプレイヤーの名前の"後"に、 // 指定した文字列が付きます。 // なお、prefixでChatColorを使用した場合、suffixでRESETを指定することを推奨します。 // 例)team.setPrefix(ChatColor.RESET.toString()); team.setSuffix("suffix"); // チームの表示名を指定します。 team.setDisplayName("display name"); // チームメンバー同士の攻撃ができるかどうかを設定します。 // true で攻撃が有効になり、false で攻撃が無効になります。 team.setAllowFriendlyFire(false); // 透明化しているチームメンバーを見えるようにするかどうかを設定します。 // true で透明化しているチームメンバーが見えるようになり、 // false で誰からも見えなくなります。 team.setCanSeeFriendlyInvisibles(true);
"dummy"というCriteriaを設定して、"test"という名前の新しいObjectiveを作成します。
Objective objective = board.registerNewObjective("test", "dummy");
新しく登録したObjectiveの設定も、いろいろ変更してみましょう。
// Objective の表示名を設定します。 objective.setDisplayName("Display Name"); // Objectiveをどこに表示するかを設定します。 // SIDEBAR、PLAYER_LIST、BELOW_NAME が指定できます。 objective.setDisplaySlot(DisplaySlot.BELOW_NAME);
特定のプレイヤーに対するObjectiveでの点数を設定します。
// ※ CraftBukkit 1.7.5 以前の場合 Score score = objective.getScore(player); score.setScore(42); // ※ CraftBukkit 1.7.8 以降の場合は、getScoreメソッドにはStringを使ってください。 Score score = objective.getScore(player.getName()); score.setScore(42);
ここまでを実装して設定することで、下のスクリーンショットのように表示が確認できていると思います。
特定のプレイヤーのスコアをリセットするには、次のようにします。
// ※ CraftBukkit 1.7.5 以前の場合 board.resetScores(player); // ※ CraftBukkit 1.7.8 以降の場合 board.resetScores(player.getName());
専用のスコアボードシステムの取得と設定[編集]
メインのScoreboardシステムを使用してしまうと、他で設定している得点内容を上書きしてしまったり、 Objectiveの名前が衝突してしまったりしないか、心配があります。
自身のプラグイン専用に、Scoreboardシステムを取得したい場合は、 最初のgetMainScoreboard()をgetNewScoreboard()にしてください。
Scoreboard board = manager.getNewScoreboard();
専用のScoreboardシステムでは、デフォルトで表示されません。 各プレイヤーに、自分のプラグインで作成したスコアボードを表示したい時は、setScoreboardを使用してスコアボードを設定してください。
for ( Player player : Bukkit.getOnlinePlayers() ) { player.setScoreboard(board); }
サイドバーでのカスタム項目の設定[編集]
サイドバーにObjectiveを設定している場合、ダミーの項目を登録することで、 カスタム項目を表示することが可能です。 カスタム項目のスコアを登録するには、次のようにします。
// ※ CraftBukkit 1.7.5 以前の場合は、OfflinePlayerを生成して設定してください。 Score score = objective.getScore(Bukkit.getOfflinePlayer(name)); score.setScore(99); // ※ CraftBukkit 1.7.8 以降の場合は、そのままStringを指定してください。 Score score = objective.getScore(name); score.setScore(99);
カスタム項目のスコアをリセットするには、次のようにします。
// ※ CraftBukkit 1.7.5 以前の場合 board.resetScores(Bukkit.getOfflinePlayer(name)); // ※ CraftBukkit 1.7.8 以降の場合 board.resetScores(name);
例
// ※ CraftBukkit 1.7.8 以降の場合 Score score = objective.getScore(ChatColor.GREEN + "kills:"); score.setScore(99);
簡単な実装例[編集]
体力表示プラグイン[編集]
各プレイヤーの頭の上に、現在の体力を表示します。 なお、Criteria に "health" を指定した場合、各プレイヤーの体力が増減するたびに、自動的に更新されます。 (プラグイン側から更新を実施する必要はありません。)
import org.bukkit.Bukkit; import org.bukkit.entity.Player; import org.bukkit.event.Listener; import org.bukkit.plugin.java.JavaPlugin; import org.bukkit.scoreboard.DisplaySlot; import org.bukkit.scoreboard.Objective; import org.bukkit.scoreboard.Scoreboard; import org.bukkit.scoreboard.ScoreboardManager; /** * 各プレイヤーの頭の上に、現在の体力を表示するプラグイン */ public class ScoreboardHealthPlugin extends JavaPlugin { /** オブジェクティブの名前 */ private static final String OBJECTIVE_NAME = "showhealth"; /** * プラグインが有効化されたときに呼び出されます * @see org.bukkit.plugin.java.JavaPlugin#onEnable() */ @Override public void onEnable() { // メインスコアボードを取得します。 ScoreboardManager manager = Bukkit.getScoreboardManager(); Scoreboard board = manager.getMainScoreboard(); // オブジェクティブが既に登録されているかどうか確認し、 // 登録されていないなら新規作成します。 Objective objective = board.getObjective(OBJECTIVE_NAME); if ( objective == null ) { objective = board.registerNewObjective(OBJECTIVE_NAME, "health"); objective.setDisplaySlot(DisplaySlot.BELOW_NAME); objective.setDisplayName("/ 20"); } // 全プレイヤーの現在の体力を反映します for (Player player : Bukkit.getOnlinePlayers()) { objective.getScore(player).setScore((int)player.getHealth()); } } }
チーム分けプラグイン[編集]
プレイヤーを2チームに分けるサンプルです。
TABキーの名前リストと、頭の上の名前表示に、チームの色が付きます。 また、チームメンバー間の攻撃が無効になります。
import org.bukkit.Bukkit; import org.bukkit.ChatColor; import org.bukkit.command.Command; import org.bukkit.command.CommandSender; import org.bukkit.entity.Player; import org.bukkit.plugin.java.JavaPlugin; import org.bukkit.scoreboard.Scoreboard; import org.bukkit.scoreboard.ScoreboardManager; import org.bukkit.scoreboard.Team; /** * 2チームに分けるためのプラグイン */ public class ScoreboardTeamPlugin extends JavaPlugin { /** 赤チームの名前 */ private static final String TEAM_RED_NAME = "team_red"; /** 青チームの名前 */ private static final String TEAM_BLUE_NAME = "team_blue"; /** 赤チーム */ private Team teamRed; /** 青チーム */ private Team teamBlue; /** * このメソッドは、プラグインが有効化されたときに呼び出されます * @see org.bukkit.plugin.java.JavaPlugin#onEnable() */ @Override public void onEnable() { // メインスコアボードを取得します。 ScoreboardManager manager = Bukkit.getScoreboardManager(); Scoreboard board = manager.getMainScoreboard(); // チームが既に登録されているかどうか確認し、 // 登録されていないなら新規作成します。 teamRed = board.getTeam(TEAM_RED_NAME); if ( teamRed == null ) { teamRed = board.registerNewTeam(TEAM_RED_NAME); teamRed.setPrefix(ChatColor.RED.toString()); teamRed.setSuffix(ChatColor.RESET.toString()); teamRed.setDisplayName("team red"); teamRed.setAllowFriendlyFire(false); } teamBlue = board.getTeam(TEAM_BLUE_NAME); if ( teamBlue == null ) { teamBlue = board.registerNewTeam(TEAM_BLUE_NAME); teamBlue.setPrefix(ChatColor.BLUE.toString()); teamBlue.setSuffix(ChatColor.RESET.toString()); teamBlue.setDisplayName("team blue"); teamBlue.setAllowFriendlyFire(false); } } /** * このメソッドは、コマンドが実行された時に呼び出されます * @see org.bukkit.plugin.java.JavaPlugin#onCommand(org.bukkit.command.CommandSender, org.bukkit.command.Command, java.lang.String, java.lang.String[]) */ @Override public boolean onCommand( CommandSender sender, Command command, String label, String[] args) { // コマンドの引数が足りない場合は、エラーを表示します if ( args.length <= 1 ) { sender.sendMessage("コマンドの引数が足りません。"); sender.sendMessage("'/" + label + " (チーム名) (プレイヤー名)' のように実行してください。"); return true; } // 1番目の引数に無効な文字列が指定された時に、エラーを表示します if ( !args[0].equalsIgnoreCase("red") && !args[0].equalsIgnoreCase("blue") ) { sender.sendMessage("指定されたチーム名 " + args[0] + " が無効です。"); sender.sendMessage("red または blue を指定してください。"); return true; } // 2番目の引数に無効なプレイヤー名が指定された時に、エラーを表示します Player target = Bukkit.getPlayerExact(args[1]); if ( target == null ) { sender.sendMessage("プレイヤー " + args[1] + " が見つかりません。"); return true; } // 指定されたプレイヤーをチームに加えます Team team; if ( args[0].equalsIgnoreCase("red") ) { team = teamRed; } else { team = teamBlue; } team.addPlayer(target); sender.sendMessage("プレイヤー " + args[1] + " を " + args[0] + " に加えました。"); return true; } }
慣れてきたら、いろいろ工夫してみましょう。
例えば、チームから離脱するコマンドを追加してみてください。
TIPS[編集]
オブジェクティブ名には、17文字以上の名前を指定しないでください。
オブジェクティブの表示名には、33文字以上の名前を指定しないでください。
チーム名には、17文字以上の名前を指定しないでください。
チームの表示名には、33文字以上の名前を指定しないでください。
チームのprefix、suffixには、33文字以上の名前を指定しないでください。
サイドバーにダミーで登録するオフラインプレイヤー名には、17文字以上の名前を指定しないでください。
メインスコアボードを強制的にクリアするには、CraftBukkitを停止して、「world/data/scoreboard.dat」ファイルを削除してください。